無人ジムを経営したい!メリット・デメリットを解説
近年、市場拡大が進んでいるフィットネス業界において、スタッフが常駐しない無人ジムが増えています。時間帯によってスタッフが不在となるジムや、完全に無人で経営しているジムなど業務形態は多岐にわたります。
そのようななかで、無人ジムを経営したいと考えている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、無人ジムのメリットやデメリット、無人ジムに必要なシステムについて解説します。
無人ジムを開業するために必要なことを把握できるため、ぜひ最後までご覧ください。
1.無人ジムとは
無人ジムは、スタッフが常駐せずに運営しているジムです。利用者は他者との接触を最小限に抑えながら、自分のペースでトレーニングができます。
無人ジムの最大の特徴は、入室から退室までのプロセスが自動化されている点です。これにより、スタッフの人件費を削減でき、深夜や早朝でも営業が可能となります。
また、無人ジムには基本的なものから高機能なものまで、さまざまなトレーニングマシンが導入されています。利用者は自分の目的や体力に合わせて、自由にトレーニングメニューを組み立てられるでしょう。
2. 無人ジムが注目されるようになった背景
無人ジムの需要が高まった背景には、コロナ禍による非対面・非接触へのニーズの高まりがあります。外出自粛により家で過ごす時間が増えたことで、運動の重要性に気づいた人が増加し、自分のライフスタイルに合わせてトレーニングできる環境を求めるようになりました。
また、SNSでトレーニングの様子を共有する人が増えたことも、無人ジムの需要増加に拍車をかけています。人目を気にせず、自由に撮影できる環境に適していることも要因のひとつです。
3.無人ジムを経営するメリット
無人ジムを経営することで得られるメリットには、以下のようなものがあります。
- ・幅広いターゲットを取り込める
- ・有人ジムよりコストを削減できる
- ・顧客データを容易に収集できる
ここでは、上記のメリットについて詳しく解説しますので、無人ジムの経営を検討する際の参考にしましょう。
幅広いターゲットを取り込める
24時間営業の無人ジムは、幅広い顧客層を獲得しやすい点がメリットです。会社帰りのサラリーマンや主婦、通学前や放課後に運動したい学生など、さまざまなライフスタイルに合わせて利用できるため、さまざまなニーズに応えられます。
また、非対面・非接触での利用が可能なため、人との接触を減らしたいと考えている方にも最適な環境を提供できます。自分のペースでトレーニングに取り組めるため、周囲を気にすることなく集中できる部分も大きな魅力です。
有人ジムよりコストを削減できる
無人ジムは、人件費を抑えられる点も魅力のひとつです。従来のジム経営では、一般の従業員に加えて、高い専門性を持つトレーナーやインストラクターの雇用が不可欠でした。とくに優秀なトレーナーほど高額な賃金が必要なため、コスト面での負担が大きくなります。
しかし、無人ジムの場合は受付やトレーナーの雇用を必要最低限に抑えられます。また、充実したセキュリティシステムを導入することで、夜間の受付や見回りにかかる人件費の削減も可能です。
顧客データを容易に収集できる
無人ジムでは、店舗管理のほとんどをシステム上で行うため、顧客データの収集が容易です。有人ジムの経営で顧客データを収集するには、専用のソフトウェアを別途導入しなければならず、コストと手間がかかってしまいます。
一方、無人ジムでは顧客の入退出時間や利用状況、時間帯ごとの客層などの情報がシステムに自動的に記録されます。これらのデータを分析することで、運営の改善点や新たなサービスのアイデアを生み出すヒントにもつながるでしょう。
4. 無人ジムを経営するデメリット
さまざまなメリットがある一方で、無人ジムを経営する際には以下のようなデメリットが存在することも念頭に置く必要があります。
- ・利用者が怪我をする可能性がある
- ・盗難やナンパなどが発生する可能性がある
- ・不正利用される可能性がある
- ・競合が多く差別化する必要がある
ここでは、上記のデメリットを解説しますので、対策を検討しましょう。
利用者が怪我をする可能性がある
無人ジムには、初心者から上級者までさまざまな層の利用者が集まるため、誤った方法でマシンを使用すると身体を痛める危険性があります。とくに初心者が多いジムでは、ほかの利用者が間違いに気づいて指摘することも難しいでしょう。
また、自分に適した重量設定が分からないまま無理なトレーニングを行った場合も、思わぬ怪我につながる可能性があります。このようなリスクを防ぐために、以下のような工夫が求められます。
- ・初めて利用する際はスタッフを派遣して説明を行う
- ・マシンごとにわかりやすい使用方法を掲示する
さらに、会員同士のトラブルといった緊急事態に備えることも重要です。施設内の状況をすぐに確認できる体制を整え、迅速な対応ができるようにしておくことが欠かせません。
盗難やナンパなどが発生する可能性がある
無人ジムは、スタッフの不在によって盗難やナンパ、痴漢などのトラブルが発生しやすい環境にあります。このような問題を防ぐために、監視カメラの死角を作らずに設置することが大切です。
また、緊急時にすぐに通報できる仕組みを整えることも重要です。万が一トラブルが発生した場合に備え、犯人を特定しやすい環境を整えておくとよいでしょう。防犯対策に力を入れることで、利用者からの信頼を獲得し、ジムの評判を高められます。
不正利用される可能性がある
無人ジムにおいて、非会員の不正利用を防ぐことは課題のひとつです。とくに、会員が非会員の知人を連れ込む「共連れ」は、スタッフ不在のため見抜くことが難しく、ジムの運営に支障をきたす恐れがあります。
この問題に対処するため、入退室記録を残せる管理システムの導入が不可欠です。会員の入退室時に顔認証や IDカードによる認証を行うことで、非会員の侵入を防げます。また、先述したとおり施設内に防犯カメラを設置し、不審な行動を監視することも重要です。
競合が多く差別化する必要がある
フィットネス業界には、大手企業を筆頭に数多くのジムが参入しており、競争が激化しています。とくに大手企業は豊富な資金力によって、高品質な機器をそろえるなど充実した設備を提供している状況です。大手と競合する場合、無人化や24時間営業といった戦略だけでは、集客が困難になるでしょう。
このような状況下で生き残るには、他社との差別化を図り、顧客のニーズに応えられるサービスの提供が不可欠です。たとえば、女性向けサービスの充実や、AIを活用した高品質なトレーニングマシンの導入など、会員のニーズを的確にとらえた独自のサービスを打ち出すことがカギとなります。
自社ならではの強みやコンセプトを明確にし、他社にはない付加価値を提供することで、競争力を高められるでしょう。
5. 無人ジムに必要なシステム
無人ジムを経営する際は、セキュリティシステムを強固にする必要があります。その際、以下のようなシステムの導入が必要です。
- ・入退室管理システム
- ・スマートロックシステム
- ・監視カメラシステム
- ・共連れ検出システム
ここでは、上記の各システムの特徴を解説しますので、安全に利用できる環境を構築しましょう。
入退室管理システム
入退室管理システムは、無人ジムにおいて正規会員のみが施設を利用できるようにするための重要な仕組みです。近年、身代わりによる不正利用を防ぐために、顔認証や指紋認証といった生体認証を採用するシステムが主流となっています。
これらの高度なシステムを導入することで、厳格な入退室管理が可能になります。会員は自分の生体情報を使って入退室するため、他人による施設の不正利用を防止することが可能です。
また、暗証番号やICカードなどを組み合わせたシステムを利用しているケースも存在します。複数の認証方式を利用することで、セキュリティ面での信頼性が高まります。
スマートロックシステム
スマートロックシステムは、会員がスマートフォンなどのデバイスを使って施錠管理を行うシステムです。運用方法はシステム会社によって異なりますが、一般的には入室前に解錠用の暗証番号やQRコードを会員の端末に送信するといった方式が採用されています。
これにより、利用者は自分のデバイスを使って簡単に入室でき、運営側も安心して入退室管理を行えます。
スマートロックの解錠手段は、スマートフォンアプリやICカード、暗証番号など会員の好みに合わせて選択できる点が大きなメリットです。また、クラウドやネット上でカギの発行・削除が可能なため、柔軟な運用が実現できます。
監視カメラシステム
監視カメラシステムにはクラウド型があり、インターネット経由で録画データをクラウド上に保存できます。そのため、機器の故障や盗難によるデータ消失リスクがありません。
また、録画機能だけでなく、利用者の行動分析機能を備えた高機能モデルも登場しています。これにより、不審な行動を自動的に検知し、迅速な対応が可能です。
クラウド型監視カメラの特徴はほかにもあり、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで映像を確認できます。デバイスで確認することで、ジムのオーナーは自宅や外出先で施設内の状況を把握しながら運営ができます。
共連れ検出システム
共連れ検出システムは、会員が非会員を連れ込んだり、退室時に扉が開いているすきに非会員が入室したりする行為を検知し、防止するための技術です。
共連れ検出システムは、出入り口に設置されたカメラと高度な検知システムを組み合わせて機能します。入室する人物の動きを認識し、認証を行わずに入室した場合、リアルタイムで不正入室を検出できます。
そのほか、検知した際には、カメラの内蔵スピーカーから警告を発するなどの対応が可能です。同時に、担当者のスマートフォンやPCモニターにも通知が届くため、迅速に対応できます。
こちらの記事では、入退室管理システムについて解説しています。メリットや種類・特徴も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
6. まとめ
無人ジムとは、スタッフが常駐せずに運営しているジムを指し、ほかの利用者との接触を抑えながらトレーニングができます。無人ジムを経営するときは、幅広い顧客層を獲得しやすいほか、顧客データの収集が容易といったメリットがあります。
一方で、不正利用のリスクや競合との差別化が必要など、無人ジムを経営する際にはさまざま課題の克服も欠かせません。本記事で紹介した内容を参考にしながら、利用者が安心して利用できる環境を構築しましょう。
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