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アンチパスバックとは?後悔しない入退室管理システムの選び方

アンチパスバックとは、不正な出入りを防ぐための仕組みです。入退室に矛盾が見られると、入室させない、退出させないなどして侵入者を逃しません。導入することで、企業は情報漏えいや不正侵入、窃盗を未然に防ぎ、訪問者やスタッフの安全性を高められます。

この記事では、アンチパスバックの語源やその効果について詳しく解説しています。同時に入退室管理システムの選び方についても触れているため、作業負荷を軽減し、業務効率を向上させられるシステム選びができるでしょう。

1. アンチパスバックとは

アンチパスバックとは
アンチパスバック(Anti-passback)とは、不正な入室を感知した際に、侵入者の出入りを自動で封じるシステムです。エントランスロビーや各フロアに設置された入退室管理システムと組みあわせて使用されます。

通常、ひとつの扉に対して入室側と退出側の両方に設置され、複数の出入り口がある場合はそれぞれの扉に2つずつ取り付けられます。アンチパスバックの語源は、英語のantiとpassbackからきています。

passbackは、正規の入退室用の認証カードを所持していない人物に、不正に自己のカードを渡す行為のことです。antiが反対、対抗という意味を持つため、パスバックを防ぐシステムとして、アンチパスバックと名付けられました。

アンチパスバックは、共連れを防ぐために設置されることが一般的です。通常の入退室管理システムでは、実は不正入室が可能であり、セキュリティの惰弱性が問題視されています。

とくに共連れが頻繁に発生する場所では、危機管理意識が低くなっているケースもあり、不正侵入や情報漏えいが発生する可能性は否定できません。アンチパスバックは、不正侵入者からスタッフの安全を守り、窃盗や不正アクセスによる情報漏えい防止に役立ちます。

アンチパスバックを設置すれば、入室記録がない人物の退出や入室記録のある人物の再入室を制限できます。たとえば、スタッフがIDカードで入室後、別のスタッフや部外者がそのカードを使用して再び認証しようとした場合は、入室をブロックしてくれます。

2. アンチパスバックのメリット・デメリット

アンチパスバックのメリット・デメリット
以下では、アンチパスバックのメリットとデメリットについて解説します。メリットやデメリットを比較し、導入するかを検討してみましょう。

アンチパスバックのメリット

アンチパスバックは、情報漏えい防止や共連れの防止、低コストで導入できるなどメリットが多いのが特徴です。

情報漏えい防止

近年では、情報漏えい問題が深刻化し、企業の情報セキュリティ対策が重要視されています。マスメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、情報漏えいが企業に及ぼす影響は大きいです。

情報漏えいが起こると、顧客や取引先、株主などからの信用を失い、企業のブランド価値や評判を低下させる可能性があります。信頼を回復するまでには期間を要する場合もあり、事業に深刻なダメージを与えています。

アンチパスバックは、不正入室を防ぎ、万が一入室された場合でも退室を許しません。不正アクセスされ、情報を持ち出されるリスクを軽減できます。

低コスト

アンチパスバックは低コストで導入できるため、セキュリティ対策の予算が限られている場合に最適です。多くは入退室管理システムに組み込まれているため、追加の設備やシステムを導入する必要はありません。

認証リーダーを扉に設置するだけで利用できるため、取り付けも簡単です。リーズナブルな費用でセキュリティレベルを向上させたい場合は、有力な選択肢となります。

共連れの抑制

アンチパスバックは、共連れの抑制に効果的です。入退室管理システムを導入しても、ひとりずつの認証が手間だからと共連れをされては、システムの意義が薄れてしまいます。

共連れが頻繁に行われると、不正侵入のリスクが高まります。アンチパスバックを設置することにより、共連れを防止し、周囲のセキュリティ意識を高められます。

アンチパスバックのデメリット

アンチパスバックは、メリットだけでなくデメリットも存在します。以下でアンチパスバックのデメリットについて解説します。

完全に共連れを防げる機能ではない

アンチパスバックを導入しても、完全に共連れを防げるわけではありません。あくまでも、許可されていない人物の入退室を防止するための機能であり、その範囲内でのみ効果を発揮するためです。

入退室が許可されている人物が不正な行為に関与している場合は、防ぎ切ることは難しいといえるでしょう。たとえば、ドアが開くと同時に共連れで入室し、退室時も同様に共連れで退室すれば、侵入は可能です。

閉じ込められる可能性がある

出勤時間が迫っている、カードを忘れてしまったなど、状況によっては共連れをしてしまうケースも考えられます。意図的な不正行為ではないとしても、入退室の認証ログがない場合はシステムにブロックがかかり、部屋に閉じ込められる可能性があります。

3. 共連れ防止の対策3選

共連れ防止の対策3選
アンチパスバックは不正侵入を防止するために役立ちますが、それだけで完全なセキュリティ対策になるわけではありません。共連れを防ぐためには、さらなるセキュリティや監視体制の強化が必要不可欠です。

以下で、共連れ防止に効果的な方法を3つ紹介します。

セキュリティゲートを設置する

セキュリティゲートを設置する

セキュリティゲートとは、入室を制限したい部屋の前に設置するゲートのことです。IDや生体認証により、個人を識別し、共連れを防ぎます。

主にフラッパー式とアーム式と呼ばれる2種類のタイプがあります。フラッパー式とは、通路をフラップと呼ばれる板が防いでおり、認証することで自動で板が開き、通れる仕組みです。駅の改札口でよく見られるもので、認証スピードが速いことから、大勢が通行する場所でも混雑を防げます。

一方、アーム式とは、ゲートに設置されたバーが回転することで通行できる仕組みです。クロス式ともいわれています。認証が完了するとバーが動き、進むためには手動で前に押す必要があります。

ひとりが進むとゲートは必ず閉じるため、認証スピードはフラップ式よりも遅くなりますが、共連れを確実に防ぎたい場合に最適です。アミューズメントパークや美術館など高いセキュリティが求められる場所で使用されています。

カメラを設置する

カメラを設置する

監視カメラは入室者を映像で確認し、記録として残せる装置です。リアルタイムや過去の映像を確認しながら、不審な行動を検知できます。インターネットを介して、リモートで監視することも可能なため、遠隔地からでも監視が行えます。

また、犯罪抑制効果も見込めます。監視されていることを強く認識することで、盗難や不正侵入などの犯罪防止に効果的です。

インターロックゲートを設置する

インターロックゲートとは、ひとりずつしか通れない小部屋付きの二重扉のことです。ふたつの扉の間には狭い空間があり、空間のなかにはひとりしか入れない仕組みになっています。

そのため、正規の認証をした人物がひとつめの扉を開けても、その後に続いて入室することはできません。最初に入室した人物がふたつめの扉を開けると、はじめて入室できるという仕組みです。

4. おすすめのセキュリティ機能・設備

おすすめのセキュリティ機能・設備
セキュリティ性能を高める場合に、おすすめの機能や設備を5つ紹介します。スタッフの安全性を高めたい、企業資産を守りたいという方は、ぜひ検討してみましょう。

2名同時認証(ツーパーソン制御)

2名同時認証(ツーパーソン制御)は、扉の認証時に必ずふたりの認証データが必要となるシステムです。ひとり分の認証データでは扉は開かないため、外部からの侵入だけではなく、内部の不正行為にも効果的です。

ひとりでは扉は通行できず、また2人がそろっていないと退室できません。セキュリティレベルの高い現場に適しています。

共連れ検出

共連れ検出は、監視カメラを利用して共連れの通過を検知し、管理者に通知する機能のことです。導入することで、共連れの発見が容易となります。

ドア付近で音声警告する機能がついているものもあり、スタッフのセキュリティ意識を高める効果も見込めます。共連れ発生時の画像の確認も可能なため、内部不正者の洗い出しにも最適です。

生体認証

生体認証とは、生体情報を利用して認証を行う方法です。顔や整脈、指紋などの生体情報は一人ひとり異なるため、他人がなりすまして認証を受けることはできません。従来のICカードや暗証番号といったほかの認証方法に比べて、高いセキュリティを確保できます。

さらに、生体情報は利用者自身が持つため、盗難や紛失のリスクがありません。パスワードやICカードを持ち歩く必要がないのでスタッフの利便性も向上します。

アクセスレベル設定

アクセスレベル設定とは、部屋ごとに異なるアクセスレベルを設定できる機能です。特定の部屋のセキュリティを強化するために、入室者に制限をかけます。

役職や部署などの属性ごとに入室を許可または拒否できます。機密情報や重要資料を保管している部屋には、管理職や特定のチームのメンバーのみが入室できるといった設定が可能です。アクセスレベル設定は、セキュリティを柔軟に管理したい場合に最適なシステムといえます。

動線管理

導線管理は、あらかじめ設定された経路を通らないと入室できないシステムです。正しい経路以外からは入室できないため、部外者や内部者の不正行為を目的とした侵入を防げます。セキュリティを強化でき、建物の安全性を高められます。

5. 後悔しない入退室管理システムの選び方

おすすめのセキュリティ機能・設備
入退室管理システムには多くの種類があり、機能や費用、利便性などを考慮して選ぶ必要があります。以下で、後悔しない入退室管理システムを選ぶ際のポイントについて解説します。

会社の課題にあわせる

企業が抱えている課題やニーズにあわせて、入退室管理システムを選ぶとよいでしょう。コストを下げたいのなら、サーバーを導入する必要がないクラウド管理が適しています。新規カードの発行コストを抑えたい場合は、交通系ICカードや社員証を登録して、カギとして使用する方法が効果的です。

カギの紛失や不正侵入のリスクを抑えるなら、テンキー認証や顔認証が適しています。テンキー認証は導入コストが低く、顔認証はセキュリティレベルが高いのが魅力です。

ほかにも、ICカードとテンキーの両方の認証が必要な二重認証を採用することで、セキュリティレベルを高めることが可能です。それぞれのシステムの特徴を理解し、企業の課題にあわせて選択してみましょう。

感染が広がる危険のない製品を選ぶ

インフルエンザやコロナウイルスなど、感染力の高いウイルスが企業内で発生するリスクは0ではありません。感染が拡大すればスタッフの健康や企業の生産性が損なわれる可能性があります。

入退室管理システムを選ぶ際は、感染が広がる危険のない製品を選ぶことを検討しましょう。ICカード認証や顔認証などの非接触型の認証方法が最適です。とくに顔認証では、マスクを着用している場合でも認証が可能なシステムを選択することで、感染症予防を強化できます。

さまざまなシステムと組み合わせる

入退室管理システムは、さまざまなサービスと組み合わせることで、利便性やセキュリティ性の向上が可能です。たとえばタイムカード打刻や遠隔操作、自動検知などが挙げられます。

タイムカード打刻は、入退室時に自動で打刻処理をするため、スタッフが打刻する必要はありません。打刻の漏れを防止し、勤怠状況の把握にも役立ちます。

また、自動検知を組み合わせれば、なにかトラブルが発生しても即座にアラームが通知されるため、迅速な処理が可能です。遠隔操作機能があれば、スタッフが閉じ込められた、カギを室内に置き忘れたなどのトラブルがあっても、遠隔で開錠や施錠できます。

そして、システムと組み合わせる際は、自社のシステムと連携できるAPIが便利です。API連携が可能な場合は、既存のサービスを引き続き利用できるため、システムの乗り換えや導入の手間を省けます。

スタッフのことを考える

入退室管理システムを導入する際には、スタッフの利便性を考慮して選択することが重要です。使い勝手のよいシステムを採用することで、働きやすい環境を整えられます。

たとえば、認証速度が速いシステムを採用することで、忙しい朝の混雑を軽減できます。待ち時間の短縮や不便さの軽減により、ストレスの少ない出勤が可能です。

また、オートロック機能付きの錠を選択することで、ドアの閉め忘れを防げます。ドアを閉める手間をなくし、セキュリティ性も向上します。

オフィスセキュリティドアシステムのiDoorsでは、タッチレスの顔認証システムを採用しています。検知速度が0.35秒/人のため、忙しい出勤時でも混雑しません。オートロックの電気錠のため、セキュリティ性能が高いのが特徴です。

iDoorsでは、顔認証のほかにも、ICカードやテンキー、QRコードと企業のニーズにあわせて、システムを選択できます。ぜひあわせてご覧ください。

6. まとめ

入退室管理システムを選ぶ際は、企業の抱える課題やニーズを把握し、コストや利便性を考えて選ぶことが重要です。タイムカード打刻や遠隔操作など、さまざまなサービスと組み合わせることで業務効率を高められます。

オフィスセキュリティドアシステムのiDoorsは、クラウド型の入館管理システムです。累計クラウド利用者30,000人以上を達成し、さまざまな業界や規模の企業様にご愛用いただいております。

当社の電気錠は、電気信号によって解錠や施錠の記録を管理するため、防犯性が高いのが特徴です。ICカードやテンキー、QRコード、顔認証からお選びいただけます。

時間帯指定による入退室制限、施錠と警備を同時に操作するシステム、ICカード+テンキーの2重認証、アンチパスバック機能など、当社のセキュリティ機能は豊富です。APIとの連携も可能なため、既存システムを利用しながら、入退室管理システムをお使いいただけます。

オフィスを守るセキュリティ機能を導入したい方は、ぜひiDoorsをご検討ください。

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